「つなぎ融資」を使わずに一条工務店で家づくりは可能か
結論から言うと、銀行と商品選び次第で“不要にできるケース”は確かにあります。
ただし、その仕組みを正しく理解していないと、思わぬタイミングで返済が始まったり、金利の高い銀行を選んで総支払額が増えることも。
本記事は、一条工務店の支払いルールと提携ローンの特徴を土台に、「つなぎ融資不要」を実現する2つの選択肢、費用メリットの試算、土地先行の落とし穴、デメリットと対策までを施主目線で体系化しました。
一条工務店で「つなぎ融資不要」にできる仕組みと2つの選択肢
一般に注文住宅は「着工金→中間金→引渡金」と段階支払いが発生し、建物完成(抵当権設定)まで住宅ローンが実行できない銀行が多いため、工事期間中の資金をつなぐ“つなぎ融資”が使われます。
一条工務店では、支払い条件や提携ローンの使い方次第で、つなぎ融資を使わずに工事資金をまかなえる場合があります。
代表的なのは①分割融資(住宅ローンを工事中に分割実行)と、②後払い(着工金・中間金を引渡し時にまとめて支払う特約や指定スキーム)の2系統です。
どちらも“銀行・商品・物件条件”に依存するため、早い段階で営業担当と金融機関を同席させ、資金計画表と契約条件を突き合わせておくのが必須です。
なぜ注文住宅では「つなぎ融資」が一般的になのか?
住宅ローンは通常、建物完成・表題登記・抵当権設定を経て本実行されます。
ところが工務店への支払いは工事進行に合わせて先行します。
この“支払いが先、ローンが後”のタイムラグを埋めるのがつなぎ融資です。
つなぎ融資は便利ですが、住宅ローンとは別建ての金利・事務手数料・保証料が発生し、団信の適用が本実行まで待たれる商品もあります。
したがって「つなぎを使わない」=費用・手間を圧縮できる可能性が生まれます。
一条工務店独自の支払いルールと「後払い」の可能性
一条工務店は標準的な段階支払いをベースにしつつ、物件・キャンペーン・提携ローンの組合せで、着工金や中間金の後払い(引渡し時一括)に対応できるケースがあります。
これが成立すると、建物完成と同時に住宅ローンを本実行し、工期中の資金手当てを不要化できます。
注意点は、後払いの可否・適用条件・支払期日が契約書にどう書かれるかです。
書面に“後払い”の明記がなければ、銀行審査で想定が崩れることがあります。
契約前に文言と資金計画表を必ず一致させましょう。
「分割融資」と「つなぎ融資不要」の違いを正しく理解する
分割融資は“住宅ローンを工事中に分割実行”する仕組みで、工事金の支払いを住宅ローンで直接まかないます。
名目は住宅ローンの一部実行なので、団信・金利は原則そのまま適用されます(商品による)。
一方「つなぎ融資不要」は広い概念で、①分割融資を使う、②工務店が後払いに応じる、③銀行が“建物完成前でも本実行可”とする――のいずれか/組合せで達成されます。
言葉の使い分けを誤ると、返済開始時期や金利条件で想定外が起きます。
つなぎ融資を使わない最大のメリット|手数料と利息はいくら浮く?
費用効果は「つなぎ融資にかかる金利・事務手数料・保証料等」を丸ごと削減または縮小できる点にあります。
さらに分割融資なら団信が早期適用される商品もあり、リスク面の安心感も上がります。
一方で、分割融資は“工事中に住宅ローン返済が始まる”ことがあるため、家賃との二重負担が発生し得ます。
費用は減るがキャッシュフローは厳しくなる――このトレードオフを数字で確認しましょう。
つなぎ融資の金利・保証料・事務手数料の相場をチェック
つなぎ融資は銀行・代理店で差が大きいものの、住宅ローン本体より金利が高めに設定され、事務手数料・印紙・振込手数料なども別途発生するのが一般的です。
さらに実行から本実行までの数か月~約1年分の利息を、工事の節目ごとに負担します。
見積段階で「金利」「日割計算の起点」「各回の事務手数料」「保証料の有無」「繰上返済の扱い」を書面で出してもらい、総額で比較するのがコツです。
【シミュレーション】一条工務店で100万円単位の現金を残す方法
仮に工期10か月、着工金・中間金・最終金の3回払い、つなぎ金利が本体より高い前提だとします。
分割融資(または後払い)でつなぎを不要化できれば、①全回のつなぎ利息、②つなぎ事務手数料、③保証料相当が丸々削減対象になります。
同時に、分割融資で早期に団信が乗る商品を選べば、保険面のリスク低減メリットも加点できます。
逆に、分割実行分の住宅ローン返済(利息)が工事中から始まるため、家賃+返済の“二重負担月”を家計に織り込み、手元資金の厚みを維持するのが肝要です。
団体信用生命保険(団信)が早期適用される安心感とは
分割融資は住宅ローンの“一部実行”なので、商品によっては団信がその時点から適用されます。
つなぎ融資では本実行まで団信が未適用のケースがあり、もしもの際の保障が手薄になりやすい点は見逃せません。
各商品の「団信開始時点」「特約(がん・全疾病等)」は審査前に必ず確認し、家族のリスク耐性と照合しましょう。
住宅ローン控除への影響は?知っておきたい税制のポイント
住宅ローン控除は“入居した年”からです。
つなぎ利息やつなぎ手数料は原則、控除対象利息に含まれません。
分割融資で工事中から利息が発生しても、控除開始は入居年からである点は同じです。
税制は改正が入るため、最新の適用条件・省エネ基準適合要件・借入上限は、契約前に税務署・住宅ローン窓口・税理士等へ確認するのが安全です。
一条工務店提携ローン「i-flat」や指定銀行を利用する具体的な手順
「つなぎ不要」を実現しやすいのは、①一条専用・提携系ローン(例:i-flat等)の分割実行、②指定銀行の分割融資スキーム、③施工会社の後払い条件のいずれか/組合せです。
ネット銀行は金利が魅力でも、分割実行に非対応でつなぎ必須の商品が多い点に注意しましょう。
以下の段取りで、資金計画と審査の“すり合わせ漏れ”を防ぎます。
一条工務店専用ローン「i-flat」がつなぎ融資不要な理由
専用ローンは一条の支払いスケジュールに沿った分割実行や、工事期間の資金ニーズに合わせた実行条件を備えているのが強みです。
結果として、工期中の支払いを住宅ローンで直接カバーし、つなぎ融資を使わずに済む設計が可能になります。
審査・金利タイプ・団信・手数料の総合点で“総支払額とキャッシュフローの最適点”を探るのがコツです。
提携銀行(地方銀行・メガバンク)での分割融資活用術
提携先の中には、着工時・上棟時・竣工時の分割実行に対応する銀行があります。
事前審査→本審査の段階で「分割回数」「各回の必要書類(請求書・検査済書等)」「実行から返済開始までの猶予」を明記してもらい、家賃と重なる月の資金繰りを先に決めておきましょう。
分割回数が多いほど事務手続きは増えるため、2回・3回など最小回数で回すと実務が楽になります。
ネット銀行(住信SBI・楽天銀行など)を選ぶとつなぎ融資は必須?
ネット銀行は低金利が魅力ですが、工事中の分割実行に非対応のケースが多く、結果としてつなぎ融資が前提になりがちです。
どうしてもネット銀行を使いたい場合は、①つなぎの総コストを織込んでも総支払額が有利か、②分割実行に対応するネット商品がないかを比較検討しましょう。
“金利だけ”でなく“実行条件と諸費用”を平面で比べるのが、後悔しない選び方です。
営業担当者に確認すべき「提携ローン利用の条件」リスト
抜け漏れ防止のため、以下を事前に確認しましょう。
- 分割実行の可否・回数・必要書類・各回の事務手数料
- 団信の開始時点(分割実行で適用か/本実行からか)
- 後払い条件の有無と契約書への記載方法
- 本実行・引渡しの必須期日(控除・登記の関係)
- ネット銀行併用時のつなぎ手配(誰が窓口か)
土地購入から始める人は要注意!「土地先行決済」の資金計画
土地を先に買う場合、建物の抵当が組めないため、土地代だけつなぎ融資が必要になるケースがあります。
対抗策は、銀行の「土地先行融資」(土地分を先に本実行し、建物分は後日実行)や、分譲地スキームでの決済調整です。
土地と建物の資金の“接続”をどう設計するかで、つなぎ費用と返済開始時期が変わります。
土地代金だけは「つなぎ融資」が必要になるケース
仲介の一般土地を現金決済で押さえると、建物契約・確認申請・着工までのブランクが生まれます。
この間、土地代を一時的に賄う“つなぎ”が必要になりやすい構図です。
決済期日の交渉余地があるか、売主・金融機関と早期にすり合わせましょう。
「土地先行融資」を活用して建物完成まで支払いを待つ方法
土地先行融資は、住宅ローンの一部を土地取得時に本実行し、建物分は後日(上棟・竣工)に追加実行する仕組みです。
これにより“つなぎ”を減らせますが、土地分の返済は購入直後から始まるため、家賃との重なりを要チェックです。
分譲地(一条所有)と一般媒介物件での支払いタイミングの違い
分譲地(売主が一条関連等)の場合、建物と決済スケジュールを合わせやすく、後払い・分割実行のスキームに乗せやすい傾向があります。
一般媒介では売主都合の決済期日が動かしづらく、土地だけ先に資金手当てが必要になる場面が増えます。
販売形態で“資金計画の自由度”が変わる点は見落としがちです。
物件探しの初期から金融条件を並走させてください。
土地決済時の手出し金(自己資金)を最小限に抑えるコツ
手付金は交渉次第で圧縮できる余地があります。
司法書士・仲介手数料・登記費用の見積りも前倒しで揃え、決済日に必要な現金を“円単位”まで把握しましょう。
土地先行融資なら、諸費用も含めて借入できる枠・できない枠の線引きを事前確認するのが鉄則です。
【失敗しないために】つなぎ融資不要を選択する際のデメリットと注意点
「つなぎ不要」は強力ですが、家計のキャッシュフローや金利条件に副作用があります。
総支払額と毎月の資金繰りを“両目で見る”ことが成功の近道です。
分割融資の開始で「建物完成前からローン返済」が始まるリスク
分割実行分は、原則その時点から利息(場合により元金)返済が始まります。
家賃と重なる期間を何か月にするか、ボーナス併用の有無、生活費の見直し等を含め、実行月から入居月までのキャッシュフロー表を作りましょう。
つなぎ融資不要を優先するあまり「高金利な銀行」を選んでいないか?
分割実行OKでも金利が高ければ総支払額が増えます。
諸費用・金利タイプ・繰上返済手数料・団信特約まで含め、10~35年のトータルで比較してください。
低金利+つなぎの組合せが、トータルで有利になることもあります。
つなぎ融資が不要でも「完全自己資金ゼロ」では建てられない理由
契約金、設計申請費、登記・火災保険、引越・家具家電など“ローン外”の初期費用は必ず発生します。
最低限の流動資金と予備費(目安:数十万円~)は確保し、突発支出に備える運転資金の安全域を死守しましょう。
まとめ:一条工務店で最も賢い資金計画を立てるための3ステップ
判断をシンプルにするため、実務手順を3つに圧縮します。
- ステップ1:一条の支払い条件(後払い可否)と提携ローンの分割実行条件を契約前に書面確認。
- ステップ2:つなぎ有り/無し、ネット銀行/提携銀行の4パターンで「総支払額」と「工期中CF」を比較。
- ステップ3:土地先行の有無を踏まえ、決済~引渡しまでの実行スケジュール表を三者(施主・営業・銀行)で共有。
この3ステップを踏めば、「つなぎ融資不要」の恩恵を最大化しつつ、家計の安全域を守った資金計画が実現できます。

