トステムとリクシルの違いを分かりやすく解説|社名統合の真相と今も残るブランド名の正体

「トステムとリクシルの違いが分からない」という声は少なくありません。

結論から言うと、トステムは2011年の統合で誕生したLIXIL(リクシル)の中に包含された旧社名で、現在は主に窓・玄関ドアなどアルミ建材のブランド名として残っている存在です。

一方のリクシルは、トステムやINAX、サンウエーブ、トヨウエクステリア、新日軽などの統合で生まれた企業そのもので、キッチン・バス・トイレ・窓・外構まで幅広い住設を展開します。

本記事では社名統合の背景と年表、今も見かける「TOSTEM」ロゴの正体、商品ジャンルごとの棲み分け、過去名残による誤解ポイントまでを分かりやすく整理します。

トステムとリクシルの違いをやさしく理解する

トステムとリクシルの違いを一言でいえば、「旧社名(ブランド)と現在の会社名」の関係です。

トステムはアルミサッシの大手として長年親しまれ、2011年の統合で法人としてはLIXILに一本化されましたが、窓や玄関ドア領域では「TOSTEM」ブランドが今も使われます。

つまり、カタログやサッシの刻印にTOSTEMの文字があっても、メーカーはLIXILです。

以下で、統合の流れとブランドの残り方、商品分担、購入時の注意点を順に解説します。

年表でたどる統合

統合の理解は年表が近道です。

2001年にトステムとINAXが持株会社をつくり、2011年にトステム・INAX・新日軽・サンウエーブ・トヨウエクステリアの5社が事業統合してLIXILが発足しました。

以後は「会社名=LIXIL」、製品の領域によって「ブランド=TOSTEM/INAX/GROHEなど」を使い分ける形に移行しています。

出来事要点
2001年トステムとINAXが持株会社を設立将来統合へ向けた連携の土台
2011年5社が統合しLIXILが発足社名はLIXILへ一本化
以降グローバルM&Aとブランド運用製品領域ごとにブランドを併用

この枠組みを押さえると、旧社名と現行ブランドの混在に戸惑わなくなります。

ブランドの残り方

統合後も「TOSTEM」ロゴが残るのは、窓・ドア・エクステリアといったアルミ建材分野での知名度と信頼が厚いからです。

たとえば国内のアルミ窓や玄関ドア、アジア各国の窓・カーテンウォールではTOSTEMが前面に出ますが、会社案内や保証書の社名はLIXILになります。

海外では国別サイトでTOSTEMを前面化し、親会社としてLIXILを併記する運用も一般的です。

この二層構造が「トステムってまだ会社としてあるの?」という誤解の源になります。

商品分担

LIXILはキッチン・バス・トイレから外装・開口部まで幅広く、製品領域に応じて歴史あるブランドを活用しています。

ざっくりした棲み分けを知っておくと、カタログ横断やショールーム巡りがしやすくなります。

  • TOSTEM:窓、サッシ、玄関ドア、アルミ外装の基幹ブランド
  • INAX:トイレ・洗面・タイルなど水まわりの主要ブランド
  • LIXIL:会社名として全体、住まい全般の統合ブランド
  • GROHE/American Standard:主に海外水栓・衛生陶器領域
  • EXTERIOR系:旧トヨウエクステリア系の意匠・門まわり

同じLIXILの中でブランドが役割分担している、と理解しましょう。

社名と商標の違い

社名は法人の名前、商標(ブランド名)は商品やサービスに付ける名称です。

法人としてのトステムは2011年にLIXILへ統合されていますが、商標としてのTOSTEMは今も現役です。

保証書や契約書に記載されるのはLIXIL、製品のエンブレムやカタログ表紙にはTOSTEMが載る、といった並存が起きます。

これは小売でも一般的な手法で、旧ブランドの資産価値を活用しつつ、企業体は一本化して運営効率を高める狙いがあります。

購入時の注意

見積書や図面で「TOSTEM」と表記されていても、問い合わせや保証窓口はLIXILです。

型番検索ではブランド接頭語(例:TOSTEM)とLIXIL型番の双方で調べると情報に当たりやすくなります。

ショールームでは「リクシルの窓=TOSTEMの窓」という前提で相談すれば通じます。

また、リフォームの際は旧トステム時代の部材互換を確認し、色番や枠仕様の引き継ぎ可否を事前に押さえるとミスマッチを避けられます。

社名統合の背景を読み解く

2011年の社名統合は、国内の成熟市場とグローバル展開の加速という二つの課題に対応するための戦略でした。

住宅設備・建材は製品単体よりも「住まい全体の体験価値」で選ばれる時代に入り、窓・水まわり・外装などの強みを束ねて横断的に提案できる体制が求められました。

そこで、異なる領域で高い技術とブランド力を持つ企業を一つにまとめ、研究・調達・製造・販売までの連携を強化したのがLIXIL誕生の背景です。

統合の狙い

統合の主眼は、スケールメリットの獲得と開発スピードの向上、そして世界市場への展開力強化です。

窓やサッシに強いトステム、水まわりに強いINAX、外構に強いトヨウエクステリア、キッチンのサンウエーブ、新日軽のアルミ建材といった得意分野が連携し、住宅全体でのソリューション提案が可能になりました。

結果として、ショールーム・物流・情報システムの共通化でコストを抑え、研究開発の横展開で製品改善の周期も短縮されました。

運営の変化

統合後は、会社名をLIXILに一本化しつつ、製品領域ごとに既存ブランドの看板を活かす「企業=LIXIL、商品=歴史ブランド」という運用へ移行しました。

これにより、旧来のファンが慣れ親しんだ名称を継続しながら、新規客にはLIXILとして統合的な価値を訴求できます。

営業・アフター・保証はLIXILの統一窓口で対応し、製品のラベルやサイト上ではTOSTEMやINAXのロゴが併記される場面が多くなっています。

海外展開

統合を機に海外M&Aや拠点拡大が進み、グローバルでの認知は「LIXIL」ブランドが大黒柱になりました。

一方、アジア市場などではアルミ窓・ドアの分野でTOSTEMの名前を前に出し、地域の実需に合わせてブランドを使い分けています。

製造拠点も日本・アジア各国に広く配置され、国別の気候や建築事情に適合した窓・ドアのラインナップが拡充されています。

今も見かけるTOSTEMの正体

街で「TOSTEM」のエンブレムを見かけると、「会社として健在なの?」と感じる人は多いはずです。

正確には、法人はLIXILに統合済みで、TOSTEMはLIXILのアルミ建材ブランド名です。

製品や海外サイトでTOSTEMを前面に出しつつ、保証・コーポレート情報はLIXILに統一されるという二段構えが、現在の実態です。

この構造を把握すると、検索や問い合わせ、パーツ手配の迷子が一気に減ります。

ロゴの見方

窓や玄関ドアの枠、シリンダー付近、カタログの表紙にはTOSTEMのロゴが載ることがあります。

他方で、取り扱い説明書や保証書、会社案内の発行主体はLIXILです。

「ロゴ=ブランド」「社名=LIXIL」と理解しておけば、情報の出どころを取り違えません。

  • 製品ラベル:TOSTEM表記が残ることが多い
  • 取説・保証:LIXIL名義で統一
  • 公式サイト:商品ページと企業情報の表記が分かれる
  • 海外展開:国別にTOSTEMブランドを積極活用
  • 問い合わせ:窓口はLIXILに一本化

まずは保証書のロゴと発行主体を見比べるクセを付けましょう。

製品の領域

TOSTEMが主に担うのはアルミサッシ・樹脂窓・複合窓、玄関ドア、引戸、カーテンウォールなどの開口部製品です。

下表のように、家庭用から集合住宅、商業施設までラインナップが広がり、地域向け仕様や断熱等級に応じたグレードが整理されています。

カテゴリー主な対象特徴
戸建・集合断熱・気密・網戸やシャッターの連携
玄関ドア戸建採光・断熱・スマートロック対応
外装・躯体集合・商業カーテンウォール等の大型アルミ構法

水まわりや内装建材はINAXやLIXIL名義が中心で、ここも役割分担のポイントです。

型番の探し方

既存住宅で部品を探すときは、サッシ枠の見切りや扉側のシールにある品番を控え、LIXILのサポートに問い合わせるのが早道です。

TOSTEM表記のみで情報が見つかりにくい場合も、写真と設置年の手掛かりがあれば突き止められます。

製造時期によって後継互換が変わるため、色番号やクローザー仕様なども併せて記録しておくと交換がスムーズです。

混同しやすい場面の対処法

トステムとリクシルの呼び分けは、見積書・保証・Web検索・ショールームで混乱しがちです。

しかし、社名とブランドの関係を理解し、書類上の表記を統一するだけで手続きの効率は大きく改善します。

ここでは、よくある「迷いどころ」を具体的に解消します。

見積と契約

見積書の発行主体はLIXIL、製品名にTOSTEMブランドが入る、という形式が一般的です。

工務店・販売店に依頼するときは、製品名と色番・サイズ・仕様をTOSTEM表記で明確化しつつ、発注先・保証窓口はLIXILであることを文書に残すと行き違いが減ります。

旧品の置き換え時は、既存のトステム型番と現行の後継品番を照合する表をつくると比較が簡単です。

項目旧トステム現行LIXIL/TOSTEM備考
品番例:○○-A123例:□□-K123後継可否を要確認
色番例:シャイングレー例:SG近似色の可能性あり

表に落とすだけでミスが激減します。

検索のコツ

Web検索は「TOSTEM 型番」だけでなく「LIXIL 型番」「LIXIL サッシ 交換」「トステム 後継」と複数ワードで当たりを付けるのがコツです。

画像検索で形状を照合し、年代の近いカタログPDFを見つけると特定が早まります。

同時に、施工書や部品図のキーワードを足すと、DIYでの調整・交換の可否も判断しやすくなります。

  • 「TOSTEM + 製品名(例:玄関ドア)」
  • 「LIXIL + 後継 + 型番」
  • 「部品名 + 品番(例:クローザー、鍵)」
  • 「施工説明書 PDF」「取扱説明書 PDF」
  • 「色番 一覧」「カタログ 年号」

複数の切り口で検索し、情報の信頼性を突き合わせましょう。

ショールーム活用

ショールームでは「窓・ドア=TOSTEM」「水まわり=INAX」という目線で展示を見渡すと、担当者への相談がスムーズです。

具体的な採寸や開閉方向、断熱グレード、鍵の仕様など、現場の条件をメモして持参すれば、その場で最適解を絞り込めます。

旧トステム住宅のリフォームでも、現行製品への置き換え提案や色合わせの実物確認ができるため、仕上がりの齟齬を抑えられます。

購入前に押さえる実務ポイント

統合の知識を踏まえたうえで、実際の購入・リフォーム時に効く実務の勘所をまとめます。

窓や玄関ドアは寸法・躯体納まり・防火や断熱等級など要素が多く、過去のブランド名に気を取られると本質を見落としがちです。

ここでは、効率よく比較・発注・引き渡しまで進めるための打ち手を整理します。

仕様の優先順位

窓・ドア選定は、断熱・気密・防犯・意匠・価格の五軸で整合を取るのが基本です。

地域の断熱基準や日射条件に合わせてガラス構成を決め、開閉方式は動線や風向を踏まえて選びます。

鍵・クローザー・スマートロックなどの機能は後付け可否も含めた拡張性を確認しましょう。

  • 断熱性能:地域区分と一次エネ基準の整合
  • 気密・換気:すき間風対策と室内空調の相性
  • 防犯:ガラス仕様・錠前等級の確認
  • 意匠:外観色と室内建具の調和
  • 価格:本体+工事+オプションの総額

先に優先順位を決めるほど、見積比較がクリアになります。

見積の読み方

見積は「製品代」「ガラス・格子等の加算」「搬入・施工」「副資材」「処分費」「養生費」を分けて比較します。

旧トステム品からの交換では、枠を残すカバー工法か、下地補修を含むはつり工事かで費用が大きく変わります。

下表の観点で揃えてもらうと、業者間の比較が容易です。

費目含む/含まない確認ポイント
製品本体○/×ブランド・型番・色番の明記
施工費○/×カバー工法/はつりの区別
副資材○/×コーキング・ビス・下地
処分・養生○/×撤去・運搬・廃棄の内訳

明細が揃えば、価格差の理由が見える化されます。

引き渡しチェック

施工後は開閉の滑らかさ、戸当たり音、鍵のかかり具合、気密ゴムの当たり、シーリングの仕上げ色、歪みの有無を点検します。

製品ラベルの品番と保証書の記載が一致しているか、取り扱い説明とメンテ周期が渡されているかも確認しましょう。

写真で記録を残しておくと、後日の部品手配や保証申請がスムーズです。

よくある誤解をスッキリ解消

最後に、「トステム=会社」「リクシル=別会社」という思い込みから生まれる誤解を整理します。

言葉の使い分けと、問い合わせ先の一本化を押さえれば、情報の迷子は解消します。

購入・リフォームの場面で混乱しやすいポイントを、短時間で確認できる形にまとめました。

社名の誤解

「トステムに頼みたい」「リクシルに頼みたい」は実務上どちらもLIXILへの相談になります。

販売チャネルや保証窓口はLIXILで統一され、製品の顔としてTOSTEMやINAXが並ぶイメージです。

名刺や会社案内、請求書の社名がLIXILであることを前提に、製品ジャンルの会話ではTOSTEMというブランド名を使えば通じます。

  • 社名の正式表記:LIXIL(リクシル)
  • アルミ建材ブランド:TOSTEM(トステム)
  • 水まわりブランド:INAX(イナックス)
  • 問い合わせ・保証:LIXILで一元管理
  • 旧ロゴ表示:製品領域で継続使用あり

会話と書類で用語を切り分けるのがコツです。

旧製品の扱い

旧トステム製品の部品手配は、LIXILのサポートを通じて行います。

年式によっては後継品や代替色での対応になり、ガラス仕様・鍵・クローザーなどは改良のため仕様が変わることがあります。

現場写真と品番、採寸情報をそろえれば、互換の可否は比較的早く判定できます。

ブランドの将来

TOSTEMブランドはアジアを中心に窓・ドアの主力として展開が続いており、国内でもリフォーム市場で高い認知を保っています。

一方で、コーポレートとしての発信はLIXILが担うため、ニュースリリースやIR、保証規定などの正式情報はLIXIL側で確認するのが確実です。

この二層の使い分けは当面続くと見てよいでしょう。

要点をひとまとめに整理する

トステムは「LIXILに統合された旧社名」であり、現在は窓・ドア領域のブランド名として残っています。

会社名はLIXILに一本化され、保証・問い合わせ・契約はLIXILで一元対応、製品の顔としてはTOSTEMやINAXなど歴史あるブランドを併用する運用が実態です。

購入・リフォームでは、社名とブランドを混同せず、型番・色番の照合と見積明細の粒度合わせ、引き渡しチェックまでを押さえれば、誤解による手戻りを防げます。