一条工務店の窓は、断熱・防犯・気密の三拍子を高水準で揃えたことが強みです。
標準仕様の「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」を核に、採光・景観・通風・意匠の要件に応える多彩な形状とサイズが用意され、等級6・7相当の高断熱住宅でも冬の冷え感や結露リスクを抑えやすいのが特徴です。
本記事では、窓の基本性能から形状別の選び方、図面記号の読み方、設計時の「一条ルール」、快適性を高める標準装備と最新カスタマイズまで、実務でそのまま使える視点で整理します。
【完全版】一条工務店の窓一覧|標準仕様の種類と性能
一条工務店の標準窓は、樹脂フレームとLow-Eトリプルガラスをベースに、防犯合わせや気密パッキン、断熱スペーサーなどのディテールを積み上げて「体感の暖かさ」「窓際の冷えにくさ」「静かさ」を実現しています。
窓そのものの性能に加え、枠と壁の取り合い、ハニカムシェードとの組み合わせ、方位別のガラス選定など、住み方に合わせた最適化の余地が広く、冷暖房の効率や結露抑制、メンテ性まで連動して効いてくるのがポイントです。
以下では、標準スペックの要点、断熱のキモであるガス種の考え方、防犯合わせのメリットを順に見ていきます。
標準装備「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」の圧倒的スペック
標準の樹脂サッシは、金属枠に比べ熱橋が少なく、フレーム部での熱損失を抑えやすいのが特徴です。
三枚ガラス構成は放射熱の出入りを多段でブロックし、Low-E膜の採用で日射取得と遮蔽のバランス調整も可能です。
さらに、気密パッキンの多点シールや重なるクレセント、框の剛性など、見えない部分の積み重ねが冬場のじわっとした暖かさ、夏場の熱気侵入の抑制に効いてきます。
- 樹脂フレームでフレーム部の熱橋を低減
- Low-Eトリプルで放射・対流・伝導を段階的に抑制
- 断熱スペーサーで周縁部の結露発生を抑える
- 多点シールで隙間風と騒音の侵入を低減
- 防犯合わせで貫通・飛散リスクを抑制
世界トップクラスの断熱性能(U値)とクリプトンガスの秘密
窓の断熱はU値(熱貫流率)の小ささで語られますが、カタログ値だけでなく「ガラス間のガス種」「中空層厚」「枠・スペーサーの仕様」「取り付け精度」まで含めた総合設計で体感が決まります。
クリプトンは空気やアルゴンより熱伝導率が低く、同じ厚みでも高い断熱が期待できるガスです。
特にトリプル構成ではクリプトンの恩恵が生かされ、窓面からのコールドドラフト(冷気降下)を抑えられるため、窓際の寒さや足元冷えの不満を減らしやすいのが実感値として大きいポイントです。
台風や空き巣に強い!防犯合わせガラスの耐久性とメリット
防犯合わせガラスは、2枚のガラスの間に中間膜を挟むことで割れても貫通しにくく、飛散を抑える構造です。
こじ破りやバール攻撃に対する粘り強さ、強風時の飛来物への耐性、万一の破損時に破片が室内へ飛び散りにくい安全面のメリットがあり、窓際の心理的安心感も高めてくれます。
また、合わせ層は遮音にも寄与するため、道路・鉄道沿いなど騒音環境の家でも「静けさ」の向上を実感しやすく、夜間の睡眠の質や在宅ワークの集中度にも好影響が出ます。
形状別の窓一覧|デザインと用途で選べる5つのバリエーション
一条工務店の窓は、FIX・開き・引き違い・連窓・高所窓といった代表形状を押さえるだけで、設計段階の迷いが大幅に減ります。
重要なのは「何のための窓か」を先に定義することです。景観を切り取るのか、風を取り込むのか、採光を均すのか、防犯やプライバシーを優先するのかで最適解が変わります。
ここでは、リビング・寝室・水回り・階段など用途別に採用例の多い形状と、サイズや組み合わせの考え方を整理します。
景観と採光に特化した「FIX窓(はめ殺し窓)」のサイズ展開
FIX窓は開閉機能を持たない代わりに、フレームを細く・ガラス面を大きく取れるため、景色の“額縁”としての表現力に優れます。
気密・断熱・遮音でも有利で、窓際の温度ムラが出にくく、家具配置の自由度が高い点も強みです。
人が接近する場所では安全ガラスや腰高設定、外部からの視線が気になる面では型板やハーフミラー等を選ぶなど、サイズだけでなく「用途×見え方」の細かな合わせ込みが満足度を左右します。
| 用途 | 推しサイズ感 | ポイント |
|---|---|---|
| 景観の切り取り | 幅広×背高 | 軒・庇と日射の相性を検討 |
| 階段採光 | 縦長スリット | 視線カットの高さに配置 |
| 洗面・浴室 | 横長スリット | 型板・ブラインド一体で安心 |
FIXを多用するなら、別途どこで換気・通風を担保するかをセットで設計しましょう。
気密性が高く風を取り込みやすい「開き窓(滑り出し窓)」
外に向かって開く滑り出しは、斜めの風も室内に取り込みやすく、雨天時でも庇と組み合わせれば換気しやすいのが利点です。
気密パッキンが圧着して閉まるため、引き違いに比べて隙間風が入りづらく、冷暖房効率の面で有利なケースが多く見られます。
網戸の清掃性やハンドル位置、カーテン干渉など運用目線の調整も事前に行うと、入居後の使い勝手がぐっと向上します。
リビングの主役になる大開口「引き違い窓・パノラマウィンドウ」
大開口は内外のつながりを高め、テラスやウッドデッキとの一体感を演出できます。
一方で、気密は開き系に比べると不利になりやすいため、方位とサイズ選定、シャッター・スクリーン・外付け日よけの併用、足元のコールドドラフト対策までセットで設計するのが肝心です。
パノラマウィンドウは構造的な負担も大きくなるため、耐力壁バランスや梁せいの検討と同時並行で進めると、後戻りを避けられます。
- 南面は庇やルーバーで夏の日射を制御
- 東西面は遮熱タイプや外付けブラインドを併用
- 北面は眺望優先でFIXとの組み合わせが有効
- 床暖・吹き出し口で足元冷え対策を強化
- シャッターで台風・防犯・遮光を一手に担保
外観の高級感を高める「一体型連窓」の組み合わせ一覧
縦横に窓を連結する一体型連窓は、外観の統一感と水平・垂直のラインを強調でき、室内側でも窓台を連続させてディスプレイ棚のように見せる演出が可能です。
FIX+開き、開き+開き、FIX+FIX+縦スリットなど、目的に応じた配合で「見せる」と「使う」を両立させます。
下表は採用頻度の高い組み合わせ例と、設計上の着眼点をまとめたものです。
| 組み合わせ | 向いている部屋 | 設計ポイント |
|---|---|---|
| FIX+開き | リビング | 景観+通風のバランス |
| FIX+FIX+スリット | ダイニング | 配膳動線と家具配置 |
| 縦連装スリット | 階段・ホール | 視線制御と手摺の干渉 |
連窓は方立や方立風見付の太さで印象が大きく変わるため、模型やパースで見付寸法の検証を行うと失敗しにくくなります。
【実務編】窓サイズ一覧と図面の型番(J記号)の読み方
図面に登場する「J記号」は、窓の呼称寸法を簡潔に表す社内共通語のようなものです。
型番から幅×高さを素早く割り出せるようになると、間取り検討や家具・カーテン・ハニカムシェードの取り合い確認がスピードアップし、打合せの精度も上がります。
ここではJ記号の読み方、設計に使いやすいサイズ表、商品タイプごとの採用可否の傾向をまとめます。
図面の「J5961」とは?数字から幅と高さを割り出す計算式
J記号は一般に「J+幅寸法二桁+高さ寸法二桁」という並びで表記され、単位はmmの百単位(または規定モジュール)に準拠します。
たとえばJ5961なら「幅5.9×高さ6.1」の呼称で、実寸は枠外や開口寸法で若干の差が生じますが、打合せ段階ではこの呼び寸で概算が可能です。
高さの端数や方立の有無、連窓時のクリアランス、床見切りとの取り合いなど、詳細設計での調整項目は別途拾い上げましょう。
- J記号=J+幅(2桁)+高さ(2桁)
- 単位は100mm刻み相当の呼び寸
- 実寸は枠形状や納まりで微差あり
- 連窓時は方立寸法を別途加味
- 床・天井との見付バランスも確認
最小30cmから最大2.7mまで!設計に役立つ窓サイズ表
設計で迷いやすいのが「どの部屋にどのサイズがちょうどいいか」という基準です。
下表は、使い勝手と見え方、家具・収納の干渉を踏まえた代表サイズの目安です。あくまで呼び寸のため、実施設計では納まりと法規(採光・換気・避難)の確認を併行してください。
大型は迫力が出る一方、遮蔽・重さ・シャッター費用が比例して増すため、方位と暮らし方に合わせてメリハリをつけるのがコツです。
| 用途 | 推奨呼び寸 | 理由 |
|---|---|---|
| 腰高FIX(景観) | J4560〜J6060 | 視線高さで外を切り取る |
| 縦すべり出し | J4060〜J4570 | 通風とカーテン干渉のバランス |
| 大開口引違い | J18180〜J27230 | 内外一体と回遊性 |
| 高所スリット | J3030〜J4545 | プライバシーと採光の両立 |
水回りは小さめ+高窓、リビングはパノラマ+FIX連窓など、役割分担で総合最適を目指しましょう。
i-smartやi-cubeなど商品タイプによる採用可能な窓の違い
商品タイプによって、選べる窓のサイズ・組み合わせ・シャッター仕様・色数が異なる場合があります。
外観の水平・垂直ラインの強調度合いや、方立の見付、サッシ色の可否範囲など、デザインルールに差があるため、外観パースでの見え方確認が特に有効です。
また、耐力壁バランスや断熱グレード、シャッターの必要性など、シリーズ個性に合わせた窓計画を行うと完成度が上がります。
後悔を防ぐ!一条工務店の窓に関する「一条ルール」と制限
窓は外皮性能と構造に直結するため、自由度が高いようで「できること」「やらない方がよいこと」が明確に存在します。
特に個数制限・耐力壁の取り合い・防火地域の仕様は、図面上の可否とコストに直結するため、早い段階で当たりをつけ、候補を二〜三案用意しておくと打合せがスムーズです。
ここでは、よく引っかかる代表的なルールと回避策を整理します。
部屋の畳数によって設置できる「窓の数」が決まる個数制限
採光・換気・耐力・設備取り回しの観点から、部屋の広さや用途ごとに設置可能な窓の数やサイズが制約される場合があります。
また、外観の統一や気密の確保、施工の標準化の観点で「似たサイズを繰り返す」「上下端を揃える」などの推奨ルールが提示されることもあります。
窓の数を増やすほど断熱・気密の弱点が増えやすいため、FIXと開きを組み合わせ、採光と通風の役割分担で最小個数に抑える設計が結果的に快適で省エネになります。
耐力壁の関係で窓が配置できない「NGパターン」の回避策
構造上の要となる耐力壁や柱ラインには大きな開口を設けられないことがあり、意匠優先で窓を動かすと壁量不足・偏心増大を招くおそれがあります。
その場合は、窓の位置をスライドする、幅を詰める、FIXとスリットで分割する、連窓にして方立を耐力要素として機能させるなどで折り合いをつけます。
構造の都合でNGになっても、視線誘導・照明・内装で「広く明るく見せる」手段は多く、ハイドアや折り上げ天井、間接照明の併用で体感価値を確保するのが現実解です。
- NGラインを把握し、窓の分割・移動で回避
- FIX+スリットで壁量を確保しつつ採光
- 視線誘導と照明で体感の明るさを補う
- 家具・カーテンの干渉を事前に検証
- 外観のラインを崩さない代替案を用意
準防火地域・防火地域で注意すべきシャッター仕様とコスト
準防火・防火指定では、防火戸や防火シャッターの指定、ガラスの仕様が変わり、費用と納まりに影響します。
大開口はシャッターのサイズ・重量・電動化でコストが増えやすく、外観の見付やメンテナンス性も変化するため、必要箇所を絞り込み、他はFIX+外付け遮蔽などでバランスを取るのが有効です。
方位と沿道条件(飛来物・防犯・騒音)を踏まえ、台風・防犯・遮光の優先度を家族ごとに言語化しておくと、最小コストで最大効果を得やすくなります。
窓の快適性を高める標準設備と最新カスタマイズ
窓の性能はガラスと枠だけで決まりません。ハニカムシェード、サッシカラー、外付け日よけやガラス種の微調整など、アクセサリーの選択と運用で体感は大きく化けます。
また、等級6・7の標準化に伴い、熱橋をさらに抑えるための枠改良や、方位別のガラスチューニングなど、細部のアップデートも続いています。
ここでは、取り入れやすい定番と最近の潮流をまとめます。
断熱効果を最大化する「ハニカムシェード」3種(断熱・レース・遮熱)
ハニカムシェードは、蜂の巣状の空気層が窓面の熱移動を緩衝し、冬は冷輻射を緩め、夏は日射を和らげます。
断熱タイプは通年の省エネに、遮熱タイプは夏季の西日や東面対策に、レースは眩しさを抑えつつ視線を柔らかく遮る目的に向きます。
窓ごとに目的を決め、方位別に使い分けると、エアコン・床暖の効率が上がり、光の質も整えやすくなります。
- 南面:断熱+遮熱で日射取得と遮蔽を両立
- 東西面:遮熱優先で朝夕の眩しさを軽減
- 北面:断熱+レースで柔らかな採光
- 寝室:遮熱+断熱で就寝時の快適性向上
- 水回り:レースで視線コントロール
外観色に合わせた「サッシカラー」のラインナップと最新トレンド
サッシカラーは外観の印象を大きく左右します。白・黒・グレー・ブラウン系の基本色で外装材や屋根色、雨樋との一体感をつくり、室内側は建具・床材との調和で選ぶと失敗が減ります。
トレンドとしては、外観は濃色で引き締め、室内は白やライトグレーで壁と同化させる「外濃内淡」や、全館をモノトーンで統一するミニマル路線が人気です。
カーテンボックス・窓台・巾木との色ズレが起きやすいので、サンプルを同じ光環境で並べて確認し、陰影や艶の差まで含めて擦り合わせましょう。
【最新】断熱等級6・7標準化に伴う窓仕様のアップデート情報
等級6・7の普及に伴い、窓まわりでは枠の熱橋低減、スペーサーの改良、方位別ガラス選択の細分化、ハニカムの操作性向上などの改善が進んでいます。
特に北面や吹きさらし面ではU値だけでなく線熱貫流(窓周縁部)への配慮が重視され、取り付け部の断熱補強や気密テープの施工精度が体感差を生みます。
最新の実装は商品タイプやロットで差が出るため、仕様書・サンプル・実邸見学で「見た目/触り心地/開閉感」を必ず確認し、図面には取り合いのディテールまで明記するのが成功の近道です。

